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広域の診療体制が急務 宮島笠岡第一病院理事長

宮島厚介氏

 私は、二次救急病院に勤務しております。昨今、急患の受け入れ拒否や勤務医・看護師不足による過酷な病院勤務状況など深刻化する救急医療問題が毎日のように報道されています。

 ここ井笠浅口地域でも、産婦人科、小児科の救急診療とともに外科勤務医不足から重症外傷患者の休日夜間緊急診療も次第に困難となりつつあります。救急医療は医師、看護師だけでなく放射線技師、臨床検査技師、薬剤師などチーム医療で成り立っています。私たちの病院も二十四時間同じ医療水準のサービスを提供できるよう最善を尽くしておりますが、国の医療費抑制政策の中、勤務医不足から病院医師は三十二時間連続の日当直業務を余儀なくされ、病院スタッフの使命感を頼りにした救急医療はますます大変厳しい状況になっています。

 現行の休日診療制度は市町村医師会単位で、また、救急体制は消防組合単位で別々に整備されています。今後、これらを調整し、倉敷・福山市なども含め現状の枠を超えて広域の休日夜間診療体制の構築が急務と痛感する毎日です。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2008年01月30日 更新)

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