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第19回 チクバ外科・胃腸科・肛門科病院 痔核(いぼ痔) 患部固める硬化療法 効果1、2年 日帰りも可能

内痔核の手術に当たるスタッフ

 肛門の病気で多いのは、順番に痔核(いぼ痔)、痔 瘻 ( ろう ) 、裂肛(切れ痔)。このうち特に多いのが男女とも痔核で、竹馬浩理事長によると「痔の患者の六割を占める」という。

 痔核は血管の一部に血液がたまってできたこぶで、いわば血管の病気だ。

 肛門の直腸側にできる内痔核は、出血と脱出が特徴。「排便でしゃがんだ時、シャーという音とともに血が出て、輸血が必要となる場合さえある」と竹馬理事長。病状が進行すると肛門の外側に飛び出し、腫れがひどくなると指で押しても入らないこともある。そうなると痛みも伴う。

 一方、肛門の外側にできた外痔核は内痔核と違い、腫れによる痛みが主な症状となる。

 治療の主流は、痔核をつくる静脈のこぶを取り除く手術療法( 結紮 ( けっさつ ) 切除法)だが、チクバでは、特殊な注射液を注入して痔核を固める「硬化療法」も手掛ける。

 位置や深さを変えながら患部へ注射し、時間は十五分程度で済む。ただ効果があるのは一、二年。竹馬理事長は「日帰り治療も可能なため希望者は増えている。根本治療という意味では、一週間程度の入院を必要とする手術療法の方が優れている」と指摘する。

 痛みのため、患者に痔核と勘違いされることもあるのが、男性に比較的多い痔瘻。細菌侵入が原因で、肛門周囲のすき間にうみがたまり発熱する。根本治療と位置づけられるのは「開放術式」と呼ばれる手術療法で、細菌の侵入口と、うみがたまった部分をきれいに取り除く。

 硬い便が肛門を傷付けてしまう裂肛は女性に多く、痛みや出血を伴う。「こじれると、治りにくい潰瘍になることもあるので注意が必要」と竹馬理事長は呼び掛ける。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2008年06月24日 更新)

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