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コロナ ピーク時の感染1700人 県独自試算、病床不足は200床

岡山県庁

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、岡山県は21日、県内で流行ピーク時の感染者が約1700人に上り、このうち肺炎などを起こした中等症・重症者約300人分の入院受け入れが必要になるとの独自試算を明らかにした。県は、200人分近い不足が見込まれる病床の確保を図るとともに、軽症者らを受け入れる民間の宿泊施設を当面約200室を目標に用意する。

 国が3月に示した県内のピーク時の感染者数の推計は3472人。県は、国の試算が「拡大防止策を全くとらない場合」を前提としていることから実際にはそれより減ると分析。新型インフルエンザの県計画でピーク時の感染者を約1500人と想定していることなどを参考に新型コロナの感染者を1700人と推計した。

 中国での重症化率調査から感染者の8割が軽症か無症状、2割が肺炎などの症状で入院が必要な中等症か、人工呼吸器などを装着しなければならない重症者になると試算した。

 一方で、県が県内で確保している病床は117床にとどまり、現状の3倍近い態勢拡充が必要となる。軽症・無症状者は約1400人とし、民間の宿泊施設か自宅での療養を促す。宿泊施設は20日時点で県南を中心に旅館やホテルなど21施設が候補に挙がっており、選定作業を進めている。

 試算は、この日開かれた県感染症対策委員会で報告された。終了後、伊原木隆太知事は「県が想定する最悪の数字を示すことで病床確保の目標値を明確にした。宿泊施設の部屋数についても必要に応じて増やしたい」と述べた。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2020年04月21日 更新)

タグ: 感染症

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