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第27回 きのこエスポアール病院 バリデーション 言動を受け入れる

高橋秀樹看護部長

 認知症の人との接し方として、同病院、隣接のきのこ老人保健施設など「きのこグループ」が取り入れているのが、米国生まれのコミュニケーション法「バリデーション」。

 アルツハイマー病などのお年寄りに向き合う際の体系的な手法で、米国のソーシャルワーカー、ナオミ・フェイルさんが一九八〇年代に開発した。認知症の人の言動を問題視したり、説得してやめさせたりせず、感じていることを「真実」として受け入れることから始まる。

 高橋秀樹看護部長は、認知症の人に接する際のポイントとして①誠実に、敬意を持つ②自分の感情を脇に置く③相手をあるがままに受け入れる④同情や勇気づけでなく、本当に聞いてもらいたいことを聞き、共感する―などを挙げる。

 院内の各ユニットに目を配る高橋看護部長は「患者に常にひとりの人としてかかわっていく。生活歴、社会歴、その人の本当の話を聞き、人生でやり残したことを吐き出してもらうよう努めている」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2008年09月09日 更新)

タグ: 脳・神経高齢者

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