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第30回 岡山リハビリテーション病院 在宅支援 森田能子診療部長 患者の生活の中から治す

患者さんの自宅で訪問診療をする森田部長(左)

 「おはようございます」。森田部長は岡山市平井、二川薫さんの自宅へ訪問診療に出掛けた。二川さんは脳 梗塞 ( こうそく ) で右の手足に軽いまひ。約二カ月の入院で家庭生活が可能になった。退院時、スタッフが玄関、トイレに手すりをつけるよう指示。退院後すぐに訪問リハビリをしている。

 身体機能は低下していないか、家庭生活に支障がないかを確認するのが目的だった。ベッドから起き上がり、歩行器で廊下を歩き、玄関で出迎えてくれた二川さんの動きを注視。手を握り、さらに足の動きを確かめる。笑顔が医師の目線に変わる。

 リハビリテーション専門医・指導医の森田部長が「私の二大テーマ」と言うのは 褥創 ( じょくそう ) (床擦れ)治療と住宅改修。一般的にリハビリ訓練を受けた高齢者の身体機能は退院時がピークで、次第に低下していくことが多い。「退院後、障害を持って家庭、社会生活をするこの時が正念場。低下させないよう在宅支援が大事なんです」。理学療法士、作業療法士らがチームで訪問リハビリを行う在宅支援室、介護保険で日常生活の援助をする居宅介護支援事業所ケアプランあさひ、デイケア(通所リハビリ)事業所がサポートする。

 リハビリテーション医を目指し岡山大整形外科に入局、川崎医大リハビリテーション医学教室講師、川崎病院リハビリテーション科部長を経て、昨年から現職。「リハビリテーション医は患者さんの生活の中から治すという視点が欠かせない」と言うポリシーを持つ。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2008年10月07日 更新)

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