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第30回 岡山リハビリテーション病院 失語症訓練 伊澤幸洋言語聴覚室長 欠かせない家族の協力

カードを見せ発語訓練をする伊澤室長

 脳卒中の後遺症として、言葉が思い出せない失語症、発音器官のまひにより発語が不 明瞭 ( めいりょう ) になる構音障害、食べ物がのみ込みにくくなる摂食・ 嚥下 ( えんげ ) 障害がある。失語症はコミュニケーションに大きな影響が生じ「長期化するケースが多い。適切な訓練を継続すれば良くなる可能性は高い」。

 言語療法の必要な入院患者は年間三百人、半数が失語症だ。患者の年齢、残存機能などを把握。職場や家庭復帰に向けた目標を設定し、訓練プログラムを立案する。訓練は動物、果物などを描いたカードを見せクイズ形式で答えたり、漢字を書きそれを読んだり、文章を復唱、音読して発語を促す。

 「言語機能の回復には家族の理解と協力も欠かせず、訓練に同席し説明することもある。回復あるいはリハビリ効果があったのは七、八割。入院中、退院後の外来と訓練を継続し、根気よくやることです」と言う。

 言語療法十五年のベテラン。九年前国家資格となった言語聴覚士養成校の教員も経験。「脳卒中の低年齢化で働き盛りの人々が失語症になる。言語能力が鍵になり責任重大です」
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2008年10月07日 更新)

タグ: 脳・神経健康

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