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岡山大医学部に寄付講座 県が医師不足対策

 岡山県北部を中心に深刻化する医師不足対策として、県が岡山大に寄付しての地域医療人材育成講座が5月1日、同大大学院医歯薬学総合研究科に開設される。将来の地域医療を担う優れた人材育成が狙い。県による寄付講座は初めて。

 県医療推進課や同研究科によると、教員には地域医療に携わってきた経験者ら医師2人を配置。内科、外科、小児科など、へき地医療に求められる総合的な診療能力を持った医師の育成を図る。医師確保に向けた行政や医療機関のネットワーク構築、県北の病院での診療支援などにも取り組む。

 設置期間は2013年度末まで。県が総額1億2千万円を寄付。27日に両者が県庁で協定書を交わす。

 岡山大は、地域医療に必要な総合医の育成などを行う「地域医療総合支援センター(仮称)」の創設も計画しており、県は併せて後押しする方針。

 県医療推進課によると、人口10万人当たりの医師数(08年)は津山・英田圏域182・6人、真庭圏域159・0人、高梁・新見圏域147・5人と、県北を中心に全国平均224・5人を下回る。同課は「特に小児、産科をはじめとし、深刻な医師不足が続いている」としている。

 寄付講座は、県が1月にまとめた県地域医療再生計画に盛り込んでいた。川崎医科大(倉敷市)と救急医療に関する講座開設に向けた協議も進めている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2010年04月24日 更新)

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