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第33回 倉敷紀念病院 家庭への早い復帰が目標 地域完結型医療へ

病院内の各部門のスタッフが顔をそろえて行う患者入院時のカンファレンス

 患者の入院時にはまず、医師や看護師、理学療法士ら他職種のスタッフを集めたカンファレンスを開き、患者が抱える問題点や対策を話し合う。病状だけでなく身体機能や栄養状態、家庭状況などを総合的に勘案、おおまかな退院時期の目標を設定し、治療方針やリハビリメニューなどを決めていく。

 「早く家庭に復帰してもらうのに欠かせない作業。その後も必要に応じてカンファレンスを行い、患者の情報を共有。これを基にしたチーム医療が当院の特長」と小出院長。

 院内の密な連携で平均在院日数も大きく短縮。急性期治療の一般病棟患者は一七・六日、回復・維持期の療養患者は七〇・五日と六年前に比べ二分の一、三分の一に縮まった。

 退院時の支援にも力を入れる。家庭復帰に向けては理学療法士や医療ソーシャルワーカー、ケアマネジャーらが患者宅を訪問。玄関やトイレなどを視察し、回復状況に合わせた改修を提案する。復帰が難しい患者にはグループの介護老人保健施設や特別養護老人ホームなどへの入居を勧めるほか、他施設の紹介も行う。

 小出院長は「退院後も治療やケアが必要なケースは多い。家族や地域の診療所との連携を強化し、地域完結型の医療を維持、発展させたい」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2008年11月11日 更新)

タグ: 健康

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