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「五月病」早めに受診を 年間通じ増加傾向 無気力、疲れやすい、体がだるい・・・

 「無気力」「疲れやすく、体がだるい」―。ゴールデンウイークが終わり、新入生や新社会人に現れやすい「五月病」。最近は季節を問わず同様の症状を訴える人が岡山、倉敷市などで増えている。専門医は「気分転換を心掛け、症状が続くときは早めに受診を」と呼び掛けている。

 「五月病」は入学や入社、転勤による新職場などを迎えた人が大型連休明けごろから、憂うつや食欲低下などに悩むケースで、急な環境の変化が主な原因。「医学的には適応障害に分類される。我慢し続けた人が6月になって来ることもある」と岡山赤十字病院(岡山市北区青江)の中島誠精神科部長。

 同様の症状を含む疾患は年間を通じ増える傾向。厚生労働省の2008年患者調査(推計)によると、県内ではうつ病など含む気分[感情]障害が計約8千人(1999年7千人)、神経症性、ストレス関連など含む障害も計約6千人(同5千人)に。「岡山、倉敷市など都市部の患者が大半を占めている」(県保健福祉部健康推進課)という。

 五月病などの適応障害の場合、治療はカウンセリング、抗うつ剤や睡眠導入剤があるが、「最近は職場のメンタルヘルス担当者と仕事内容を話し合い、休暇や残業の免除などを助言することもある」と中島部長。同病院を訪れた50歳代の会社員は、新しい上司とうまくいかず困り果てて来院。職場の配置換えで回復したという。

 「特に今の時期は病気になる手前の人が多い」と中島部長。「2週間以上症状が続いたり、相談できる人がいない場合は受診を」と注意を呼び掛ける。

 「五月病はもともとは大学生に特化したもの。社会人全体に広がっているのは、雇用不安など安心して働けない現実も影響しているのでは」と指摘するのは、県精神科医療センター(同鹿田本町)の塚本千秋副院長。

 塚本副院長は「今の時代、ある程度のうつ症状は仕方がないと思う。大切なのは重症化させないこと」とし、「旅行や睡眠のほか、仲間同士で語り合うなど目先を変える工夫をしてほしい」とアドバイスしている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2010年05月14日 更新)

タグ: 精神疾患

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