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小児の単心室症 心臓幹細胞で臨床研究へ 岡山大王准教授、世界初の試み

王英正准教授

 幹細胞を用いた心臓の再生医療を目指す岡山大病院循環器疾患集中治療部の王英正准教授(循環器内科学)は20日、生まれつき心室に異常がある単心室症の小児を対象にした臨床研究を、国に申請する。患者自身の心臓組織から取り出した幹細胞を培養して心筋に戻し、心機能を強化する仕組み。小児への心臓幹細胞を活用した治療は世界初の試みで、早ければ年内にも着手する。

 臨床研究は、単心室症治療のために行う肺への血流を増やすシャント術時に心臓組織(約100ミリグラム)を採取し、自己複製能力を持つ幹細胞を培養。1カ月後の心臓カテーテル検査時に体重1キロ当たり30万個を心筋に戻す。さらに3カ月後、カテーテル再検査時に心臓のポンプ機能が増強しているかを判定する。

 第1期の臨床研究として、乳幼児7人に治療を行い、安全性などを確認。再度国に申請して実施する第2期研究では、治療を行う患者と行わない患者各30人の症状を比較する。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2010年05月20日 更新)

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