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膝痛患者のQOL向上 最新の人工関節置換術 川崎医科大付属病院 10月にも導入

人体の形状と構造に近づけた新タイプの人工膝関節(左脚用)

難波良文講師

 川崎医科大付属病院(倉敷市松島)は障害や痛みが深刻な膝(ひざ)疾患の治療に、大きなQOL(生活の質)向上効果が期待できる新型の人工膝関節置換術を導入することを決め、研究を進めている。

 導入するのは米社が開発した膝関節パーツを用いる置換術。6月から国内で保険適用になるのを受け、10月にも手術開始する計画。

 担当する難波良文・川崎医科大講師(整形外科学)によると、同パーツの特徴は、膝の動きの要となる大腿(だいたい)骨と脛(けい)骨の関節部の形状や位置関係などを人本来の姿に近づけた点。従来型パーツの置換術に比べ、膝の動き方が円滑になり、運動機能の回復度も高まるという。

 またパーツも摩耗しにくくなるため、より長期的に安定した治療効果が期待できるという。

 同社日本法人(東京)によると、従来型の人工膝関節パーツは大半が左右対称型。しかし、同社は3年前、大腿骨と脛骨の接触面の微妙な傾きから両骨のバランスまで人本来の形状、構造に近づけたパーツを、それらの置換術とともに開発。欧米を中心に販売実績を重ね、今年4月、厚生労働省から医療機器販売の認可を受けた。

 難波講師は「従来型以上に緻密(ちみつ)で正確な手術が求められるが、術後、運動や趣味を楽しめるようになるなど、患者の生活の充足度を高めることができる」と話し、同パーツ、置換術の研究開発に携わった米国の整形外科専門医に指導を受けるなど、導入準備を進めている。


 人工膝関節置換術 変形性膝(しつ)関節症や関節リウマチなどにより障害や痛みが激しい膝を治療する最終的な方法。大腿骨、脛骨、膝蓋(がい)骨の患部を取り除いて、代替する各パーツをそれぞれの骨と接合し、「人工膝関節」を設置する手術。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2010年05月24日 更新)

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