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第46回 倉敷第一病院  緩和ケア病棟 チームで患者サポート がんの苦痛取り除く

患者(右)と談笑する緩和ケア病棟スタッフ

 温かみのある木目調の床、倉敷ガラス製ランプシェードから漏れる柔らかな光、かすかに聞こえるピアノの調べ…。 静謐 ( せいひつ ) な雰囲気の北館五階は、フロア全体が緩和ケア病棟に充てられている。

 主な対象は、積極的な治療の有効性が乏しくなったがん患者。身体的、精神的な苦痛を取り除き、残された時間をその人らしく過ごしてもらう。昨年四月に開設した。岡山県で四カ所目。これまで五十代から九十代まで延べ百十三人を受け入れている。

 病室は個室十四と三人部屋が二。共用スペースにはゆったり語らうデイルームや家族室、音楽室があり、付き添いや面会は自由。家族と手料理を囲むキッチンも備わっている。

 「患者さんが過ごしたいように過ごしていただくのが基本です」と緩和ケア内科の福田展之科長。そのために医師、看護師、介護士、栄養士、ボランティアらがチームとなって支える。

 痛みは抑えられているか、落ち込んでいないか、どんな要望があるか、付き添いの看病疲れは―など常に気を配り、毎日のカンファレンスで情報を共有、対応策を考える。「患者さんと家族にしっかり寄り添い、訴えから逃げないのが務め」と緩和ケア認定看護師の尾下玲子さん。

 電話相談も受け付けており、悩みに長時間耳を傾けることも。同認定看護師の藤田千尋・看護部課長は「介護や痛みなど、がんで困っている人は多い。緩和ケアについて、たくさんの人に知ってもらいたい」と話す。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2009年03月16日 更新)

タグ: がん

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