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精神障害者自立支援活動賞受賞 スピーカーズ・ビューロー岡山  偏見解消へ“語り部”活動 体験、悩み赤裸々に 「社会の理解広げたい」

活動の打ち合わせをする吉沢会長(右)ら「スピーカーズ・ビューロー岡山」のメンバー

 岡山県内の精神障害者グループ「スピーカーズ・ビューロー岡山」(事務局・岡山市岩田町)が、地域で活躍する精神障害者や支援者に贈られる第2回精神障害者自立支援活動賞(リリー賞)を受賞した。偏見や差別を解こうと当事者が体験を話す“語り部”活動が高く評価されたもので、会員らは「社会の理解を一層広げ、深めていきたい」と意欲を新たにしている。

 同賞は偏見(スティグマ)解消に取り組む「精神障害へのアンチスティグマ研究会」が主催し、製薬会社の日本イーライリリー(神戸市)が協賛。精神障害者、福祉活動、地域医療の三部門(各二団体または個人)あり、スピーカーズは精神障害者部門で受賞した。

 スピーカーズは昨年六月に発足。民生委員や愛育委員の研修会、大学などに出向き、講演や交流活動を続けている。その数は約一年半で六十五回に及び、話を聞いた人たちも五千人近くに上っている。また語り部をする会員の数も当初の十八人から四十六人に増えた。

 語り部たちは、十年に及ぶ入院生活や家族からも見放され孤独になった体験、自殺を図ったことなど当事者しか分からない苦しみを赤裸々に伝えており、反響は大きい。寄せられる感想の手紙には「(退院できず)十年間何もしないで天井を見て暮らしたという話に衝撃を受けた」など率直な驚きがつづられている。

 実際に当事者と接し、精神障害に対してのイメージが変わったとの声もある。「普通にコミュニケーションがとれることに驚いた」「つらいことが重なると誰にでも起こりうる」など、障害への理解につながる感想が多数寄せられている。

 同研究会によると、精神障害の当事者がグループを組織し、個々が顔も名も隠さず、障害への正しい理解を求める活動を続けているのは全国的にも珍しいという。

 統合失調症である自らの体験を語り続け、九日に東京で行われた授賞式にも出席した吉沢毅会長(57)は「精神障害があっても安心して生活できる地域づくりが大切。NPO法人を目指し、活動の幅を広げていきたい」と張り切っている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2005年12月16日 更新)

タグ: 福祉精神疾患

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