文字 

渡航移植目指した小比賀姫那ちゃん死去 倉敷 

小比賀姫那ちゃん(家族提供)

 重い心臓病と闘い、米国での心臓移植を目指していた小比賀(おびか)姫那(きな)ちゃん(1)=倉敷市=が16日午後0時49分、心不全のため、入院先の同市内の病院で亡くなった。支援団体の「きなちゃんを救う会」が発表した。

 救う会などによると、姫那ちゃんは生後7カ月だった昨年10月、拡張型心筋症の一つで心筋がスポンジ状になり全身へ血液が送れなくなる「左室心筋緻密(ちみつ)化障害」と診断され、根本的な治療は移植しかなかった。7月施行の改正臓器移植法では15歳未満の子どもにも国内移植の道が開かれるが、病状が悪化し、早期の渡航を希望していた。

 治療や渡航に必要な1億5千万円を賄うため5月下旬、救う会が倉敷、岡山市などで募金活動を開始。活動は企業や市民にも広がり、15日までに約7600万円が寄せられていた。募金の使途や今後の活動は未定という。

 救う会の大倉雄一郎代表(23)は「いまだに亡くなったことが信じられず、残念でなりません」とコメント。父親の裕也さん(24)は「ここまで希望を持って活動できたのは巡り合い、支えてくれた多くの方々のおかげで、感謝の気持ちでいっぱい。本当にありがとうございました」と話した。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2010年06月17日 更新)

タグ: 子供

カテゴリー

ページトップへ

ページトップへ