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ドッグセラピー題材に講演 岡山の医師・生長さん 「介護保険拡充へ効果実証必要」

「ドッグセラピーは介護だけでなく、子どもの教育にも活用できる可能性を秘めている」と語る生長さん

 「名医ジャスティン」(講談社)の著者で、NPO法人介護高齢者ドッグセラピー普及協会(岡山市北区立田)代表を務める医師の生長(いけなが)豊健(とよたけ)さん(64)が11日、岡山市のホテルで講演。犬との触れ合いを通して認知症の症状改善や機能回復に役立てるドッグセラピー(動物介在療法)の現状と課題を話した。

 同市内で老人保健施設やグループホームを運営する生長さんは、入所者の心の健康改善を探る中で、米国で普及が進むドッグセラピーに注目。2002年に、著書の主人公にもなった「ジャスティン」を含む2匹のセラピードッグを導入した。

 08年までに347症例で効果を検証したところ、38例で「10年以上まひしていた手が動くようになった」「重度の認知症患者が過去を語り始めた」など「著しい効果」があったほか、症状の改善はかなりの割合で認められた。生長さんは「犬に『何かしてあげたい』という思いが結果につながっているよう。治療効果への確信を持てた」と語った。

 また介護現場からの関心が高まる一方で、「年間1千万円を超える高いコストが浸透を阻む最大の障害」と指摘。介護保険適用の拡充に向けて「1例でも多くの症例を積み重ね、効果を実証することが必要。それには、ともにセラピーを実施する仲間が必要」と協力を呼び掛けた。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2010年06月21日 更新)

タグ: 脳・神経高齢者

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