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日本初の肺再移植 岡山大病院、生体から 21日 脳死提供後、容体悪化の男性に 

 岡山大病院(岡山市北区鹿田町)は21日、2000年代に脳死肺移植を受けた後、呼吸機能の低下で容体が悪化している30代男性=愛媛県在住=に、生体からの再移植を行う。同病院によると「一度移植を受けて救命された患者の肺を取り出し、新しい肺と入れ替える再移植は日本では初めて」という。

 気管・気管支などの粘膜障害を起こし、肺の管が詰まって呼吸困難になる閉塞(へいそく)性細気管支炎を患っていた男性は、脳死判定された40代男性から提供された右肺を同病院で移植。退院後は職場へ戻るなど社会復帰していた。

 しかし、2009年から慢性的な拒絶反応に苦しみ、再移植を目指して日本臓器移植ネットワークに再登録したが、容体が悪化。脳死による臓器提供では間に合わないと判断され、母親と兄の肺の一部を両肺と入れ替える再移植に踏み切る。

 手術は、大藤剛宏呼吸器外科肺移植チーフを執刀医とする20人のチームが21日午前9時から行う予定で、同日深夜までかかる見込み。

 大藤チーフによると、欧米などでは移植後、長期間生存する患者の中には呼吸機能が低下する例もあり、再移植は次の救命治療として既に確立されているという。

 留学先の豪州で5回、再移植に携わった大藤チーフは「全力で臨み、成功させたい」としている。

 
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2010年06月21日 更新)

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