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石綿被害の診断、治療 モンゴルで指導へ 岡山労災病院など 専門医を派遣

モンゴルに出発する(左から)岸本、清水、木村の3医師ら=岡山空港

 モンゴルでアスベスト(石綿)による中皮腫やじん肺などの診断・治療法について指導するため、岡山労災病院(岡山市南区築港緑町)の清水信義院長ら医師3人が3日、岡山空港を出発した。

 清水院長と、岸本卓巳副院長、北海道中央労災病院(岩見沢市)の木村清延院長。一行によると、現地では炭坑労働者のじん肺や、石炭をエネルギー化する施設で使われる石綿による健康被害が社会問題化しているといい、モンゴル政府から厚生労働省に専門家の派遣要請があった。

 現地では2日間、がんや病理専門医らを対象に講義。患者の胸部エックス線やCT(コンピューター断層撮影)画像を持参し、病気の特徴や診断のポイントなどを説明するほか、手術法なども指導することにしている。

 岡山労災病院は石綿関連疾患では国内における研究、治療の中核施設。中四国地方の拠点病院として健康診断や症例収集を行っている。木村院長は呼吸器疾患が専門でじん肺分野のエキスパート。

 清水院長は「専門分野で国際貢献できるのはありがたい。将来的には当院内にアスベスト疾患を研究したり、診断・治療できる国際的な拠点を整備できれば」と話した。帰国は7日の予定。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2010年08月04日 更新)

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