がん撲滅に貢献した個人、団体をたたえる第１５回「松岡良明賞」の贈呈式が８日、岡山市北区柳町の山陽新聞社であり、チクバ外科・胃腸科・肛門（こうもん）科病院（倉敷市林）の瀧上隆夫院長（５８）＝同市玉島乙島＝が表彰された。

　瀧上氏は岡山大第１外科出身。１９８２年に米国で研修し、国内で１〜２時間かかっていた大腸内視鏡検査を１０分に短縮、苦痛の少ない検査、治療法を確立した。胃、大腸で各６万５千例を手がけ、がんの早期発見に尽力し、検査法を県内の病院で指導。内視鏡による切除はポリープを含め国内トップレベルの１万例の実績があり、年中無休で治療している。

　山陽新聞社会事業団の越宗孝昌理事長が瀧上氏に表彰状と賞金５０万円を贈呈。瀧上氏は「病院スタッフや指導してくれた医師、一人一人の患者さんのおかげ。この賞に恥じないように医療の道を歩みたい」と話した。

　同賞は山陽新聞社の故松岡良明元社長の遺族からの寄付を基に同事業団が設けた「松岡良明基金」による表彰。選考は岡山県健康づくり財団が行い、同事業団が決定。がん制圧月間（９月）に表彰している。