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飼い犬を福祉犬に 吉備中央の富岡さん訓練 散歩の補助など 高齢者や障害者手助け

車いすに歩調を合わせるように犬を訓練する富岡さん(右)

 吉備中央町北、富岡靖明さん(72)が高齢者や障害者の生活をサポートする“福祉犬”の育成に取り組んでいる。依頼者の飼い犬をニーズに応じて訓練するユニークな取り組み。富岡さんは「戌年を機に、広く活動を知ってもらいたい」と張り切っている。

 犬種にはこだわらず、視力の衰えた人や車いす利用者の散歩の付き添い、聴力が低下した人に電話の音を知らせるなどの技能を教える。盲導犬や介助犬のように法律で定められた認定基準は特にはない。

 富岡さんは、旧賀陽町役場に勤務する傍ら、約三十年間県警の警察嘱託犬育成に携わった。役場を定年退職後、「地域の高齢者の支援に犬の訓練技術を生かしたい」と一九九三年、自宅に運動場(約九百平方メートル)を開設した。

 訓練期間は二、三カ月で、運動場のほか、依頼者の自宅や施設に出向いて行う。「進め」「止まれ」などの指示に従うように犬をしつける。飼い主に対しては声掛けのタイミング、綱の持ち方などを指導する。

 これまで町内外の個人や障害者施設、高齢者施設の十数匹を育成した。九年前から飼い犬の訓練を依頼している身体障害者療護施設・吉備高原清和荘(吉備中央町北)の頭(ず)士(し)奈生樹荘長(45)は「訓練のおかげで施設の車いす利用者とも一緒に散歩できるようになり、大変喜ばれている」と話す。

 富岡さんは「犬は人間を支援することに喜びを感じる動物。ペットと楽しく暮らすためにも、気軽に利用してほしい」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2006年01月03日 更新)

タグ: 介護高齢者福祉

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