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広島県のHIV迅速検査導入半年 15分で結果 受検者倍増 早期発見に成果 不安軽減でもメリット

県内の新規HIV感染者・エイズ患者の推移(グラフ)

 広島県がエイズウイルス(HIV)検査を実施している全検査機関に、結果が十五分で出る「迅速検査」を中国五県で初めて完全導入して半年が過ぎた。従来の検査は一~二週間後だった結果確認が当日できることから、受検数は前年同期比で倍増。国も感染防止の対策を強める中、早期発見に不可欠な「受検者の拡大」に成果を挙げている。

 県保健対策室によると、県の八地域保健所・分室、県立広島病院内(広島市南区)の計九検査機関に迅速検査を導入した昨年七月から十二月までの受検数は三百六十八件。前年同期(百六十四件)の二・二倍に上り、全体の98・1%(三百六十一件)が迅速検査だった。受検者の年齢、性別の統計はない。

 従来は、検査の一~二週間後に結果を聞くために再度、受検した保健所などに出向く必要があった。県保健対策室は「検査を受ける人は相当な不安を抱いている。(検査と結果確認が)一回で終われば、不安を引っ張る期間も軽くできる」とメリットを説明する。

 迅速検査(無料・匿名、予約制)は、薬剤を染み込ませた「ろ紙」を使い、感染によって血液中にできる抗体の有無を調べる。抗体ができるまで六~八週間かかるため、感染の機会から二カ月以上たって受検する。百人に一人の割合で陰性を陽性と判定する「偽陽性」が出る場合があるが、逆に陽性を陰性と見逃すことはないという。

 二〇〇四年に、国内で新たに確認されたHIV感染者・エイズ患者の合計は初めて千人を超え、県内でも中四国最多の二十人(前年比十一人増)を確認。〇五年は県内で十四人(十一月末現在)と減少傾向だが例年の三、四人と比べると依然として多い。

 感染拡大に歯止めをかけるため、厚生労働省は近く、感染者が増えるなど状況が悪化している都道府県を選び、重点指導する方針だ。県保健対策室は「早期発見は感染予防に有効。利用拡大に向けて、効果的な広報にも努めたい」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2006年01月12日 更新)

タグ: 健康感染症

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