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脳死肺移植の患者「第二の人生頑張る」 13日に退院 岡山大病院

退院を前に取材に応じる脳死肺移植を受けた男性患者(左)と大藤講師=岡山大病院

 岡山大病院(岡山市北区鹿田町)で9月上旬に脳死肺移植手術を受けた20代男性患者=北海道在住=が12日、退院を前に報道陣の取材に応じ、「歩けるうれしさをかみしめている。『第二の人生』ではスポーツや仕事を精いっぱい頑張りたい」と喜びを表した。

 7月の改正臓器移植法全面施行で家族承諾での脳死ドナー(臓器提供者)が増え、移植の機会を得たことについて「ドナーと家族の方々のおかげ。自分が回復した体験を同じ境遇の方が見聞きすることで、希望を持ってもらえれば」とした。

 男性は気管支が細くなる閉塞(へいそく)性細気管支炎だったため、肺活量が本来の20%まで低下。常に酸素吸入と車いすの生活で、9月4、5日の手術で右肺の提供を受けた。肺活量は本来の60〜70%まで回復し、今後スポーツも可能になるという。

 13日に退院の予定で、当面は病院近くに住み、リハビリや診察のために通院、11月上旬にも北海道へ戻る。

 執刀医の大藤剛宏呼吸器外科講師は「移植は延命でなく、元通りの生活に戻ってもらうのが目的。今後はさまざまなことに挑戦してほしい」と話した。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2010年10月13日 更新)

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