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岡山大病院医師2人 ベトナムへ派遣 口唇口蓋裂を治療へ

三島克章講師

山田朋弘講師

 先天的な口の病気・口唇口蓋裂(こうしんこうがいれつ)に悩むベトナムの子どもらの治療、医師への技術指導に当たるため、岡山大病院口腔(こうくう)外科(再建系)の三島克章講師(42)と山田朋弘講師(40)が十六日、同国北部のニンビン省に向けて出発し、約二週間滞在する。

 日本口唇口蓋裂協会(事務局・愛知学院大歯学部)が一九九八年度から始めたプロジェクトで七回目。三島講師は六回目、山田講師は四回目の派遣で、大阪大などの医師四人と看護師一人とともに、首都ハノイから南約百十キロのニンビン省内の総合病院で約三十人の患者を診る。前回初訪問したキムソン村では、設備が不十分でできなかった手術を行う。

 治療と指導のほか、治療を受けた患者の満足度や現地医師の技術向上度をチェックするなどし、これまでの活動の評価も行う予定。

 口唇口蓋裂は上唇が裂けた口唇裂と、のどの奥まで裂けた口蓋裂の総称で、原因は不明。発声がうまくできず、吸引力がないため母乳を飲めずに死亡するケースもある。日本では約五百~七百人に一人の割合で生まれるが、医療レベルが高くほぼ完治できるという。ベトナムでは経済的理由で治療を受けられない患者が多く、専門医も少ない。

 三島講師は「現地医師の技術は徐々に向上してきたが、口蓋裂の治療はのどが腫れて呼吸がしにくくなったり、出血しやすいなどのリスクがあり、進んでいない。医療体制を根付かせたい」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2006年01月14日 更新)

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