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HIV感染者、患者 09年上回る13人 岡山県内 早期発見へ県が受診訴え

 今年に入り、県内で新たに確認されたHIV(エイズウイルス)感染者と患者は計13人(21日現在)となり、昨年1年間(計12人)を上回ったことが県のまとめで分かった。近年は、感染しても服薬で発症を抑制できることが多く、県は早期発見のため、保健所などで実施している無料検査の受診を呼び掛けている。12月1日は「世界エイズデー」。

 県健康推進課によると、内訳は感染者が8人、患者は5人。全員男性で30、40代が多く、異性、同性間の性的接触による感染が大半を占めるという。

 県内では1991年に初めて感染者を確認して以降、累計の感染者は65人、患者43人。年間最多は2008年の計21人で、ここ2年はやや減っているものの、保健所や医療機関での検査受診者も同年をピークに減少。県健康推進課は「感染に気付いていない人も相当数いるとみられ、感染は依然として収まっていない」と話す。

 HIVに感染すると、自覚症状がないまま数年から10年以上経過した後、肺炎などの感染症や悪性腫瘍を発症。エイズ患者と診断されると死亡率は高くなる。ただ、近年では感染後の継続的な投薬治療で発症を予防したり、遅らせることができるようになっている。

 県や岡山、倉敷市の保健所は12月に検査態勢を強化。倉敷市保健所は5日と14日夜、採血から約30分で結果が分かる「迅速検査」を実施。岡山市保健所や県管轄の9保健所・支所は定期検査とは別に検査日を増やす。いずれも無料、匿名で、一部を除き要予約。

 県健康推進課は「早期発見は感染拡大の防止にもつながる。検査を受けたことがない人は一度は受診してほしい」と話している。問い合わせは同課(086―226―7331)または各保健所。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2010年11月30日 更新)

タグ: 感染症

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