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感染性胃腸炎患者 過去10年で最多 岡山県内 今年2万2893人

 ノロウイルスによるとみられる感染性胃腸炎患者が全国的に増えている。岡山県内でも今年の患者は12日現在、既に昨年(1万7988人)の約3割増の2万2893人と過去10年で最多となり、県と倉敷市は注意報を発令している。例年12月から1月が流行のピークで、全国では高齢者らの死亡例もあることから、県は予防徹底を呼び掛けている。

 県内の54指定医療機関で今年確認された患者は1、2月に多かったこともあり、過去10年で最多だった2008年の2万2194人を超えた。

 国立感染症研究所によると、今冬は大流行した06年に次ぐペース。今月には新潟県の介護老人保健施設でノロウイルスが原因とみられる集団感染で高齢者2人が死亡。香川県・小豆島のホテルでも37人の集団感染が発生している。

 ノロウイルスに感染すると、1、2日ほどの潜伏期間の後、下痢や嘔吐(おうと)、腹痛を引き起こす。通常は数日で症状が治まるが、高齢者や乳幼児、体力が低下している人は重症化しやすい。感染力が強く、カキなどの2枚貝の生食による食中毒のほか、患者の嘔吐物や便を介して感染が広がることが多い。今のところウイルスに有効な治療薬がなく、予防が重要となる。

 岡山県によると、県内では今年1〜3月にノロウイルスが原因とみられる食中毒が6件(患者計1450人)発生して以降、集団感染の報告はないが、県健康推進課は今後の拡大を懸念。「食事や調理前の手洗い、食品の十分な加熱を徹底するとともに、嘔吐物や便を処理する際にも注意が注意。消毒には塩素系の漂白剤が効果的」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2010年12月18日 更新)

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