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世界の子供に十分な医療を 子供基金設立 岡山大病院・佐野教授ら

サンチャゴ・サンタナ君(アンリデュナン子供基金提供)

 重い病に苦しむ世界各地の子供を先進的な医療で救うため、岡山大病院の佐野俊二・心臓血管外科教授をはじめ世界7カ国の医師らが、赤十字運動創設者の名を冠した「アンリデュナン子供基金」(事務局・東京)を設立した。ハイチの心臓病の男児が今春までに、同病院で佐野教授の手術を受けられるよう、準備を進めている。

 病気で寝たきりの息子を持つ米国人男性が「国や貧富にかかわらず子供たちが治療を受けられるように」と2千万円を提供。ボランティアで東南アジアの子供の手術を続ける佐野教授や米国、インド、ドミニカの心臓血管外科、再生医療の専門医らが昨年10月、基金を立ち上げた。戦争や貧困で十分な医療を受けられない子供への支援金を募り、治療する。

 最初に手術を受けるのは、1歳ごろに孤児になったサンチャゴ・サンタナ君(8)。心室の壁に穴が空く心室中隔欠損、血液が十分に送り出されない大動脈弁狭窄(きょうさく)症などが悪化し、手術しか助かる方法がないという。

 佐野教授は「適切な手術を受ければ母国で普通に生活できる。ベストを尽くして次の支援につなげ、一人でも多くの子供を救いたい」と話している。

 これまでの寄付総額は約2500万円。サンチャゴ君の治療、渡航滞在に必要な8千万円に届いていないため、協力を呼び掛けている。支援金の振り込みは「三井住友銀行 麻布支店 普通1167986 口座名・サンチャゴ君救済プロジェクト」。問い合わせは事務局(03―6439―3588)。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2011年01月17日 更新)

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