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クローン病 (チクバ外科・胃腸科・肛門科病院 炎症性腸疾患) 原因不明の炎症性腸疾患、薬に加え食事療法中心に

竹馬彰理事長

 クローン病とは10代後半から20代前半に発症することが多い原因不明の炎症性腸疾患といわれる病気です。口から肛門までの全ての消化管に潰瘍・ビランなどの炎症が起こる病気ですが、特に病変が多いのは小腸と大腸です。大腸の末端にある肛門にも、裂肛や痔瘻(じろう)などが出来ることがあります。

 発症する際の典型的な患者さん像は、若い患者さんで最近よく下痢するようになり、微熱や体重減少のある方。最近元気が出ないし体がだるい、といった感じです。私たちの病院は肛門の症状で来られる方が多いので来院時に肛門の痛みや腫れ、膿(うみ)が出るなどの症状を伴っている方も多いです。

 このような症状がある場合には小腸や大腸の検査をしていくことになります。特に内視鏡検査で特徴的な潰瘍像を認めればその潰瘍から細胞をとって診断を確定させます。

 肛門の症状だけが初発症状となる場合もあります。その状態はクローン病では特徴的な変化を示しますが、消化管の検査ではほとんど異常がない場合もあります。そのような時には経過をきちんとみていかなければいけません。

 治療は薬の内服に加えて食事療法を中心に行いますが、最近ではクローン病で起こっている炎症を強く抑えることのできる「抗体製剤」といわれる薬も出てきていますので、以前と比べると症状の悪化を抑えやすくなりました。それでも潰瘍が悪化すると消化管の狭窄(きょうさく)などが起こり、手術を余儀なくされる場合もあります。

 完治させることが難しい病気ですが、おかしいなと思ったら専門医の受診をお勧めします。

 チクバ外科・胃腸科・肛門科病院(086―485―1755)
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2011年01月17日 更新)

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