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高齢者QOL向上へ 緩和ケアの適用議論 岡山で研究集会

高齢者らのQOL向上を議論する医師ら

 岡山県内の医療関係者らでつくる緩和医療研究会は5日、研究集会を岡山市中区古京町の三光荘で開催。認知症高齢者らのQOL(生活の質)向上に、緩和ケアをいかに適用するかについて話し合った。

 医師、看護師や一般の高齢者ら計70人が参加。田中紀章・鳥取市立病院長が基調講演し、光延文裕・岡山大大学院教授(老年医学)、西田真寿美・同大学院教授(老年看護学)、在宅介護支援センターなみき(岡山市)の横山幸生・介護支援専門員と討論した。

 田中院長は、高齢者のQOLを考える上で、腹部に開けた穴から管で胃に栄養を送る「胃ろう」が、日本は欧米より多いことを問題視。「食べる喜びが失われ、肺炎を引き起こす可能性もある。慎重さが必要」とした。

 光延教授は、複数の疾患を抱える在宅高齢者の肉体、精神的苦痛を和らげるには、医師は看護師、介護士らの意見を取り入れ、家庭環境まで配慮する必要があると強調。横山専門員は痛みの除去など専門的処置と治療が並行してできる仕組みの構築を訴えた。

 西田教授は、言葉で意思を伝えられない高齢者が尊厳ある死を迎えるため「振る舞いや表情から求めていることを読み取る努力を」と呼び掛けた。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2011年03月06日 更新)

タグ: 介護高齢者

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