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AMDA、被災地でスタッフ雇用 東日本大震災 菅波代表「人手足りない」

被災地での活動について話す菅波代表

 東日本大震災で大きな打撃を受けた岩手、宮城県で緊急医療支援に当たる国際医療ボランティア・AMDAの菅波茂代表(64)が21日、岡山市北区伊福町の本部で会見し、被災地での支援の現状を説明。ボランティア不足を補うため、AMDAの活動を補助する現地スタッフを被災者の中から募集し始めたことも明らかにした。

 菅波代表は15〜20日、岩手県の釜石市と大槌町で、疲労が深刻な地元開業医の負担を減らすため避難所の巡回診療に参加。現地の医療環境について、「インフルエンザなど感染症対策が課題だし、医薬品が不足し高血圧や糖尿病など慢性疾患患者にも十分な対応ができていない。中にはトイレに行く回数を抑えるため水分を控え、脱水症状となる高齢者もいる」と話した。

 一方、避難所となっている釜石市の中学校で21日から、「人手が足りない」として被災者の中からスタッフの雇用を開始。ボランティア対策に加え、現地でのパイプ役を果たしてもらうのが主目的。日給は5千〜1万円で、AMDAの医師や看護師、物資の受け入れ調整員や運転手などとして1日二十数人ずつ雇うという。

 菅波代表は「経済的支援という側面もあるが、『みんながあなたを必要としている』というメッセージを伝えたい。必ず復興の力になるはず」と、その意義を強調する。

 AMDAは、21日の5人を含め、これまでに医師や看護師、調整員ら延べ52人を派遣している。今月末をめどに活動の主軸を医療支援から高齢者施設での介護支援に切り替える方針。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2011年03月22日 更新)

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