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心のケア 講師派遣増 岡山いのちの電話協会

岡山いのちの電話協会が講師を派遣した講演会。依頼は増えている=1日、美咲町中央保健センター

 自殺などの悩みに24時間応じる「岡山いのちの電話協会」(事務局・岡山市北区上中野)が精神科医ら協会メンバーを講演会講師に派遣する事業の利用が増えている。2009年度3件だった依頼は、10年度11件に。協会は「心の病気に対する社会の認知度が高まっている表れ」とみている。3月は自殺対策強化月間―。

 全国の年間自殺者数は13年連続で3万人を超え、県内でも毎年450人前後が自ら命を絶ち、深刻な社会問題となっている。講師派遣事業は協会が5年前、自殺の原因になりかねない心の病気を防ごうと開始。講師には協会長で精神科医の堀井茂男さん、臨床心理士やスクールカウンセラーなどの資格を持つ5人が登録している。

 協会によると、派遣依頼は10年度、「市役所窓口で突然『死にたい』と言われ対応に困った」と戸惑う職員、「住民がうつ病になった。どう話を聞いたらいいのか」と話す民生委員らさまざまで、切実だという。協会の電話相談員の“聴く姿勢”を学ぼうと、寺社からの依頼もあった。

 1日、協会が美咲町中央保健センター(同町原田)に講師を派遣した講演会「『うつ』は病気ですか」では、町民約70人が聞き入った。主催した町健康増進課の福田幸子さんは「町の高齢化率は35%に上り、お年寄りのうつ予防が課題。専門家の分かりやすい話はためになる」と4、5月も講演を計画する。

 協会の宇野傑理事は「東日本大震災でも被災者の心のケアが重要になっている。多くの人に心の健康に関心を持ってもらうことが自殺予防となり、より良い社会づくりにつながる。派遣事業を上手に活用してほしい」と話している。

 問い合わせは、岡山いのちの電話協会(086―245―4344)。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2011年03月22日 更新)

タグ: 健康精神疾患

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