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ジョギングは小幅でゆっくり、楽しく

森下明恵・岡山県南部健康づくりセンター運動指導員

 マラソンや駅伝大会のシーズンが本格化してきた。中高年世代はもっと気軽なジョギングを楽しむ人も多く、街のあちこちで走る姿を目にするが、足腰を痛めるケースもある。岡山県南部健康づくりセンター(岡山市北区平田)の運動指導員・森下明恵さんにジョギングの留意点などを聞いた。

 ジョギングは代表的な有酸素運動の一つ。血圧を安定させ、肥満防止など生活習慣病の予防・改善効果が知られるが、ウオーキングに比べると運動の強度が高い分、体への衝撃も大きくなりやすい。森下さんは「心臓などに病気を抱える人や膝痛に悩んでいる人は、まず、かかりつけ医に相談してから」と注意を促す。

 その上で「走り慣れていない人はいきなりジョギングに挑戦せず、ウオーキングから始めるのが良い」とアドバイス。ウオーキングで脚力をつけ、体力的に余裕が出てきたと感じるようになれば「ウオーキングの最後に少し走るようにするとか、無理なく始めることが大切」と言う。

 森下さんお薦めの走り方は、地面を蹴って大きく跳ぶように走るのではなく、小さな歩幅で歩くようなペースでゆっくり。この“スロージョギング”と呼ばれる走り方は福岡大スポーツ科学部の田中宏暁教授らが提唱し、「苦にならずに長時間走れる」などと注目を集めている。

 「周りの景色を眺めたり、仲間とおしゃべりできるペースで、楽しく走ることを心掛けて」と森下さん。走る際には動きやすく通気性のある服装で、自分に合ったシューズと足が滑らないような靴下を用意する。小まめに水分補給をすると同時に、冬場は防寒用の帽子をかぶるなど「暑くなったら脱げるような防寒対策を。ただし、走ると汗ばむので厚着は禁物です」。寒い冬の朝は血圧が上がりやすく、特にお年寄りは注意が必要だ。

 いずれにしても運動は継続することが大切。森下さんは「走り慣れてきたら『大会に出てみよう』『今月は何キロ走ろう』『あそこまで何分で走ろう』と自分のペースに合った目標を決めながら楽しんでください。お孫さんやご家族と一緒に走ったり、旅先で普段とは違う景色を楽しみながら走るのもお薦め」と話す。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2010年12月21日 更新)

タグ: 健康

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