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70年代根絶も全国で再繁殖 トコジラミに注意 県内でも確認、激しい痛みやかゆみ

トコジラミの成虫(岡山市保健所提供)

 1970年代に国内でほぼ根絶したとされていた「トコジラミ」の被害が急増している。県内でも昨年、害虫駆除業者でつくる県ペストコントロール協会(岡山市北区延友)が統計の残る72年以降で初めて駆除。繁殖力が強く、同協会は大量発生に警戒を強めている。

 トコジラミは民家の天井やマットレスの隙間など狭い空間に生息し、夜間に活動。人の血を吸って激しい痛みとかゆみを生じさせる。カメムシの一種で体長は5〜8ミリ。薄黄色や赤褐色の平べったい体つきで「南京虫」とも呼ばれる。

 日本ペストコントロール協会(東京都)によると、60〜70年代に駆除が進められたが、国外からの侵入によって10年ほど前から都内で被害が増加。薬剤使用の法規制強化、殺虫剤に耐性のある個体出現や、暖房による冬場の繁殖環境が整ったことで全国に広がったとみられる。輸入家具に付着して民家に入ることもあるという。

 県内では昨年5月、岡山市北区のマンションで被害を確認、県ペストコントロール協会が薬剤散布で駆除した。半年間で個体数が100倍以上に増えるともいわれ、三宅忠事務局長は「ダニやノミに刺された際の症状と区別が付きにくく、発見が遅れると大量発生を招く」と危惧する。

 家具や家電製品、壁などに、ふんでできるゴマ状の黒い染みがあればトコジラミの生息が疑われる。三宅事務局長は「被害拡大を防ぐには、早期発見が重要。こまめな掃除を心掛け、見つけたらすぐに相談して」と注意を呼び掛けている。

 問い合わせは県ペストコントロール協会(086―293―5990)。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2011年04月20日 更新)

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