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指標3項目 ステージ4基準上回る 岡山県、特に医療現場の逼迫懸念

今後の対応について報道陣に説明する伊原木知事

 岡山県が18日に公表した直近1週間(11~17日、速報値)の新型コロナウイルスの県内感染状況によると、指標6項目のうち3項目がステージ4(爆発的感染拡大)の基準を上回った。特に10万人当たりの新規感染者と療養者は基準の2倍以上に達し、医療現場の逼迫(ひっぱく)が懸念されるという。全体の判断はステージ3(感染急増)を維持したものの、まん延防止等重点措置(20日~9月12日)の適用後もしばらく厳しい事態が続く見通しだ。

 ステージ4を超えたのは、10万人当たりの新規感染者数(63・17人)と10万人当たりの療養者数(68・62人)、PCR陽性率(12・3%)。医療の逼迫度合いを示す病床使用率は33・4%でステージ3の基準を上回った。

 1週間当たりの感染者数は1194人。今月11日以降、連日100人を超え、18日には過去最多の307人の感染が判明した。感染力が強いインド由来の変異株「デルタ株」への置き換わりが急速に進み、拡大に歯止めがかかっていない。

 入院者の状況も悪化している。重症者用の病床使用率(10・3%)はステージ3の基準より低く抑えられているものの、軽症者でも自宅療養中に容態が急変して救急搬送される事例もあったという。

 一方、県が携帯電話の位置情報データを分析したところ、お盆期間には他県からの流入が平常時の2~4倍に急増。帰省や旅行で感染し、家族や友人へ広げるケースが目立ち始めており「今週末から来週にかけてさらに感染者が増えていくことが懸念される」(県保健福祉部)状況だ。

 伊原木隆太知事は報道陣に対し「首都圏では入院すべき患者が入院できない事態も起きている。重点措置を使って感染を抑えなければ打つ手はなく、県民の命を守れない。与えられた権限を最大限使い、感染拡大を止めたい」と述べた。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2021年08月19日 更新)

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