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岡山大にがん研究拠点開所 県内の産学官連携 REIC活用し治療薬開発

OMICの地下1階に設置された最先端分析機器のPET(岡山大提供)

 がん細胞の位置や体内に入った薬剤の動きなどを生体を傷つけずに映し出す分子イメージング技術を核に、岡山県内の産学官が連携し、がん治療薬などの研究に取り組む拠点施設「おかやまメディカルイノベーションセンター(OMIC=オーミック)」が27日、岡山市北区鹿田町の岡山大鹿田キャンパスで開所した。

 国の事業として科学技術振興機構が11億8千万円かけて整備。鹿田キャンパスの自然生命科学研究支援センター5階と地下1階、総合教育研究棟1、2階の計千平方メートルを転用した。支援センター地下1階には、分子イメージングに欠かせないPET(陽電子放射断層撮影装置)2台など最先端の分析機器を導入。研究棟2階は起業を支援するインキュベーション部門を置き、岡山大発の医療系ベンチャーなど3社・団体が入居する。

 研究では、分子イメージング分野の人材育成で岡山大と協定を結ぶ理化学研究所と連携する。複数の分子の動きを同時に映し出す装置の開発を進め、薬剤を患部へ効果的に届けるドラッグデリバリーシステムなど大学が持つ技術と融合させるなど、新たな創薬モデルを構築。岡山大大学院の公文裕巳教授らが研究するがん治療遺伝子「REIC(レイク)」を活用した治療薬の開発などに取り組む。

 医療系企業のクラスター(集合体)をつくり、地場産業を活性化する「メディカルテクノバレー構想」を進める県と岡山大が、岡山県経済団体連絡協議会(中島博座長)などに協力を求めて実現した。

 開所式では森田潔岡山大学長、石井正弘知事らが「産学官の力を結集し、世界に誇れる施設に」とあいさつ。公文教授がOMICの概要を説明した。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2011年04月28日 更新)

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