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被災児の心ケアを 岡山県小児科医会ネットワークづくり

北山医師(右)から災害時の子どもの心のケアについて学ぶ参加者

 岡山県小児科医会(籔内弘会長)は、東日本大震災の被災地から県内に避難している子どもの心のケアに当たる医師らのネットワークづくりに取り組んでいる。4日には小児科医や臨床心理士ら約60人を対象に岡山市内で研修会を開催。同医会は「気軽に悩みを相談してもらえる場所を増やし、できることから支援したい」としている。

 同医会によると、被災地から県内に移住している子どもは約70人。被災児は地震や津波への恐怖、引っ越しによる生活環境の変化などが大きなストレスとなり、体調不良を訴えることもあるという。

 ネットワークをつくることで意識を高揚。研修会の開催や医師同士の情報交換により、小児科を受診した被災児の精神的な負担に気付きやすくしたり、症状に応じて専門医や臨床心理士との連携も図る。

 研修会では、阪神大震災の際に診療活動した神戸大病院小児科の北山真次医師が講演。災害後、子どもに食欲不振や不眠、赤ちゃん返りの症状があったことを紹介し、「心の回復には安心できる環境が不可欠。まずは保護者に安心感を与えることが必要で、家族全体を支援してほしい」などとアドバイスした。

 ネットワークには当面、県内の30前後の医療機関が参加予定で、同医会は近くホームページ(http://okaped.jp/)に掲載する。籔内会長は「病気の子どもが最初に受診するのが地域の小児科。少しでも不安があれば気軽に相談してほしい」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2011年06月05日 更新)

タグ: 子供

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