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手足口病大流行の兆し 県が注意喚起 「手洗い徹底を」 患者数10年で最多

 主に乳幼児の口の粘膜や手足に水疱(すいほう)性の発疹ができる「手足口病」が岡山県内で大流行の様相をみせている。小児医療機関54カ所を対象にした県の定点調査では、12日までの1週間で1施設当たりの平均患者数が7人を超え、過去10年間で最多を記録。原因ウイルスの中には重症化するタイプもあるだけに、県は注意を呼び掛けている。

 県健康推進課によると、手足口病は夏場に流行を迎えるが、今年は患者の発生が例年より約2カ月早く、5月下旬から急増。週ごとの平均患者数は5月29日までが3・37人、今月5日までが4・8人、最新データの同12日までは7・31人となり、過去10年で最も多かった2002年7月下旬の6・17人を超えた。

 保健所管内別では、真庭(平均患者数14人)、美作(同13人)、倉敷市(同12・55人)、岡山市(同5・5人)、備前(同5・3人)の5地域が、大流行を示す4段階で最高の「レベル3」(同5人以上)となっている。

 国立感染症研究所(東京)によると、手足口病は微熱や食欲不振、のどの痛みを伴う。乳幼児がかかりやすく、接触したり便や飛沫(ひまつ)で感染。ほとんどは軽症で数日で治癒するが、原因となる「エンテロウイルス」のうち「EV71」というタイプは髄膜炎などの中枢神経系の合併症を引き起こす恐れもある。

 県健康推進課は「症状が治まってもウイルスが便に残っているので、おむつ替えの後や調理、食事前の手洗いを徹底してほしい。特に、保育所などでは集団感染防止に対策を強めてほしい」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2011年06月19日 更新)

タグ: 健康子供

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