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災害拠点病院に岡山医療センター指定 岡山県、8ヵ所目 設備増強も計画

県内の災害拠点病院

 県は、地震など災害時に24時間体制で傷病者を受け入れる「災害拠点病院」に国立病院機構岡山医療センター(岡山市)を新たに指定する。県内では8カ所目。東日本大震災を教訓にライフラインの断絶に備えて機能を強化、既に指定している7カ所を含め自家発電装置や医薬品備蓄庫などの増強を図る。

 災害拠点病院は建物の耐震構造のほか、自家発電装置や受水槽を備えていることを条件に都道府県が指定。国方針では原則として、基幹センターを県内1カ所、地域センターを二次医療圏ごとに1カ所設けることとされている。

 岡山医療センターは挫滅症候群(クラッシュシンドローム)など特有の傷病に対処する高度診療機能を備え、隣接地にヘリコプター発着スペースを確保するよう手続き中。災害派遣医療チーム(DMAT)も編成予定で、県は「人口が集中する県南の体制をさらに強化するため」(医療推進課)として指定を決めた。

 県内では、制度導入の1997年に基幹センターの岡山赤十字病院(岡山市)など7カ所を指定して以来、初の追加指定。県内の全病院に占める災害拠点病院数は4%と中国5県で最も低く、県は病院と調整して今後も増やす方針だ。

 加えて県は、各災害拠点病院の設備増強も計画。国交付金の活用も視野に、長時間の停電にも耐えられる自家発電装置▽医療器具・医薬品の備蓄倉庫▽放射線や化学物質を取り除く除染テント―などの整備に補助する。東日本大震災の被災地では、医療チームを派遣しても移動手段がないため活動できないケースがあったことから、専用車両も配備する予定だ。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2011年06月30日 更新)

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