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熱中症すでに143人 今年の岡山県内 6月の搬送数3倍、死者も記録 医師「室温調整を」

 真夏並みの酷暑が続く県内で今年、熱中症とみられる患者が143人に上ることが、各消防本部などの調べで29日、分かった。昨年6月は54人だった搬送者数は約3倍、ゼロだった死者も記録した。東日本大震災の影響で節電が求められる今夏。このまま梅雨明けし本格的な夏を迎えれば、患者のさらなる増加も懸念され、医師らは対策を呼び掛けている。

 各消防本部などによると、今年の熱中症とみられる患者は、猛暑日を記録するなどした20〜26日の1週間で102人となり一気に増加、昨年6月の総計を超えた。23日には笠岡市大島中で、畑作業をしていた女性(80)が死亡したほか、3週間以上の入院が必要な重症者も29日までに2人となった。

 記録的な猛暑となった昨年夏(7〜9月)は、熱中症について統計が残る2008年以降で死者、重症者、搬送者とも最多を記録した。死者は6人(09年1人)、重症者は43人(同9人)、救急搬送された患者は1133人(同316人)。亡くなったのは岡山市4人、倉敷、笠岡市各1人の50代〜80代で、4人は散歩中などの屋外だったが、2人は室内で倒れていた。

 本格的な夏到来を前に、6月の猛暑日(35度以上)を6年ぶりに記録するなど、真夏を思わせる天気が続く今年の6月。今年の夏について岡山地方気象台は「梅雨明けの時期は不明だが、その後も厳しい暑さは続くだろう。気温も平年より高めで推移する可能性がある」とみる。

 岡山市民病院(岡山市北区天瀬)の今城健二副院長は「炎天下だけでなく、室内で熱中症になるケースもあり注意が必要。節電も大切だが、体調を崩さぬよう無理せずエアコンを使用して室温調整に努めてほしい」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2011年06月30日 更新)

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