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MRI使い顔面透過画像 米学会で最高賞 岡山・矯正歯科田井理事長ら

田井理事長がMRIを使って作成した透過画像。歯や骨が鮮明に見える 

田井規能理事長

 たい矯正歯科(岡山市北区青江)の田井規能(きよし)理事長(44)らのグループが、歯科矯正の診断に使う顔面の透過画像をMRI(磁気共鳴画像装置)で作る手法を開発し、米国矯正歯科学会の本年度最高賞を受賞した。既存のエックス線画像と同水準の鮮明さで、放射線による被ばくがない。

 歯の矯正治療では通常、エックス線撮影やCT(コンピューター断層撮影)で透過画像を作成し、画像を元にワイヤなどで歯やあごの骨を矯正。一方、治療は年単位の期間がかかることから、検査に伴ってエックス線撮影の回数は多くなる。

 田井理事長は放射線を使わず、自由な角度から撮影できるMRIの特性に着目。通常はエックス線画像ほど骨がはっきりと写らないため、コンピューターで画像を合成する際、歯や骨格の輪郭を強調するように工夫した。歯に関係する筋肉などの状態も把握でき、現行の治療と並行して口の筋肉の訓練指導など、より効果的な治療ができるという。

 田井理事長は「矯正歯科へのMRI導入が進めば、3次元画像を使った一層精度の高い診断が可能になる」としている。

世界初の方法

 宮島邦彰・ハーバード大客員教授、国際矯正歯科研究所長の話 MRIを矯正歯科の分野に導入し、精度を高めて診断に使う方法を開発したのは世界初。一度の撮影で画像のデジタル化、3次元データ化が可能で、さまざまな医用画像が得られるメリットがある。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2011年07月03日 更新)

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