文字 

「救急センター」10月開設 岡山大病院 専従医倍増20人 中四国拠点目指す 

 岡山大病院(岡山市北区)は10月、救急科の専従医を20人に倍増させた「救急センター」を開設する。脳神経外科など各診療科からスタッフを移し、重症患者に高度なチーム医療を提供。人材育成も進め、中四国地方の拠点施設を目指す。

 同大病院は生命の危険がある最も重篤な3次救急を受け入れており、幅広い専門医が専従することで、骨折と内臓破裂など複数の治療を要する患者に素早く対応できるという。救急医療を担う人材が慢性的に不足する中、「診療科の枠を超えたチーム医療によって、救急専門医を目指す研修医らが高い知識と技術を身に付けることができる」としている。

 救急科専従医は現在、救急専門医の資格を持つ6人を含め11人。救急センターには循環器内科、整形外科など9診療科から1人ずつ医師が新たに加わる。高度な医療を提供する岡山県の「救命救急センター」認可を目指し、認められれば岡山赤十字病院(岡山市)などに次ぎ4カ所目。

 厚生労働省による充実度評価(2010年度)では、全国に221ある救命救急センターのうち専従医14人以上、専門医7人以上の2項目を満たしているのは34施設。岡山大病院は両条件を満たす計画で、同省医政局指導課は「実現すれば全国でもトップクラスの体制になる」とする。

 救急センター長となる同大病院の氏家良人救急科長は「救急医療の最後のとりで、専門医育成の拠点として地域に貢献していきたい」と話している。

 同大病院は比較的軽症な患者を扱う1次救急、手術などする2次救急の分野で、岡山市が2015年度開院を目指している岡山総合医療センター(仮称)のER(救急外来)に医師を派遣する計画。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2011年08月03日 更新)

カテゴリー

ページトップへ

ページトップへ