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手首リハビリロボ開発 岡山大大学院・高岩准教授 空気圧で柔軟な動き 動作記憶、1人で訓練も

高岩准教授が開発した手首のリハビリロボット

 岡山大大学院自然科学研究科の高岩昌弘准教授(ロボット工学)は、空気圧シリンダーを使った手首のリハビリ支援を行うロボットを開発した。空気の圧縮による柔らかな動きが特長で、理学療法士の訓練動作を記憶することも可能。本年度中に福祉施設での実証実験を開始し、介護現場などでの導入を目指す。

 高岩准教授らによると、市販されているリハビリの補助機器の多くはモーターで動き、単純な関節の曲げ伸ばしができる程度。高岩准教授はモーターを空気圧シリンダーに変えることで、柔軟性や複雑な動きが可能になると考え、約10年前から研究を開始、介護現場の助言を得ながら改良を重ねてきた。

 ロボット(縦、横約35センチ、高さ約45センチ)は、6本の空気圧シリンダーと二つのハンドルで構成。水中で手を動かしたときなどに生じる粘性抵抗と呼ばれる力を自由に設定することができ、患者に応じてリハビリの負荷を変化させることが可能で、関節などへの負担も軽減できる。

 さらに、計19個のセンサーがロボットに組み込まれており、理学療法士の指導する動きを記憶。患者1人でも同じ動作が可能になった。

 今後は筋肉が動く際、発生する微弱な電気を測定するセンサーを追加し、鍛えたい筋肉が動いているかや、疲労度をリアルタイムで測れる機能を追加する。現場からの要請に合わせ、ほかの部位への応用も検討している。

 高岩准教授は「利用者の声を取り入れながら、多くの人がいつでも効果的なリハビリができるよう貢献したい」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2011年08月29日 更新)

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