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ナスの寄せもの 強火で焼きあくを中和

 厳しい残暑が続きますが、6、7月に比べると日が短くなっているように感じませんか。少しずつ、でも確実に、季節は進んでいますね。秋に食べたいのがナス。日照時間が短くなると、ナスは実が堅く引き締まり、夏のものよりぐっとおいしさが増します。

 「秋ナスは嫁に食わすな」という言葉がありますが、これはお嫁さんに意地悪しようという解釈だけではありません。ナスはあくが強く、食べ過ぎると体を冷やしたり体調を崩す恐れがあります。女性がたくさん食べると子宮が冷えて、家督を継ぐ子宝に恵まれなくなるかもしれない。昔の人はこのように考えて、お嫁さんをいたわったのです。

 体を冷やさないためには、高温で加熱するか、体を温める塩分を加えて調理するのがポイントです。熱エネルギーや塩分にはあくを中和する働きがあるので、みそでいためる「しぎナス」やナスの塩もみは理にかなっているのです。

 今回も、ナスの皮が焦げるまで強火でガンガン焼いてください。香ばしい香りがしてきたら、それも食欲をそそる調味料の一つになります。

<材料>(4人分)

 ナス 5本
 粉寒天 4グラム
 ショウガ 適量
 だし汁 2カップ
 みりん 大さじ2
 しょうゆ 大さじ2
 ショウガの搾り汁 大さじ1/2

<作り方>

 (1)ナスはへたを落として、真っ黒になるまでよく焼く

 (2)冷水に入れてさまして皮をむき、縦4、5等分に裂く

 (3)だし汁に寒天を入れて煮溶かし、みりん、しょうゆ、ショウガの搾り汁で味付けする

 (4)15センチ四方の流し箱に(3)を少し流し入れ、(2)のナスの半量を並べる。さらに(3)を少し流し入れ、ナスの半量を並べる。残りの(3)を流して冷やし固める

 (5)(4)を16等分に切り、ショウガを千切りして添える
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2011年09月02日 更新)

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