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岡山県内のがん死者 過去最多に 2010年5518人 県は啓発強化へ

 2010年のがん死者は岡山県内で5518人と過去最多を更新、死因別でも1982年から29年連続でトップだったことが7日、県のまとめで分かった。早期発見に欠かせない「がん検診」の受診率(09年度)は全国でも高水準の24.5%だが、県が定めた目標値(50%)はクリアできておらず、県はさらに啓発を強める方針だ。9月は「がん征圧月間」―。

 県医療推進課などによると、県内の全死者2万248人のうち、がんは27・3%を占め、2位の心臓疾患15・4%(3121人)、3位の肺炎11・3%(2281人)を大きく上回る。部位別でみると、肺が20・6%で最も多く、胃(13・4%)、肝臓(10・9%)、大腸(10・8%)と続いており、ここ数年はこの傾向に変化はないという。

 一方、検診受診率は、肺がんが33・4%で全国第5位。胃がんは17・8%で7位、大腸がんは23・5%で8位といずれも全国平均を15・6?3・4ポイント上回った。ただ、09年に策定した「県がん対策推進計画」で目標に定めた受診率50%以上は大きく下回る。

 このため、県は食生活見直しや禁煙化といった企業、学校の取り組みをホームページで紹介するなど県民の生活習慣改善を支援。愛育委員や栄養委員を通じて住民一人一人に受診を呼び掛けるほか、特定の年齢層に検診の無料券を配布する。特に受診率の低い乳がんや子宮がん対策として、美容組合と連携して女性客に訴えかける。

 県健康推進課は「がんは2人に1人が一度はかかるとされる身近な疾患。予防と早期発見の大切さを粘り強く啓発したい」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2011年09月08日 更新)

タグ: がん

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