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岡山市消防局、救急隊を1隊増設 コロナ専従 一般搬送への支障回避

市民病院に配備された救急車と隊員

 岡山市消防局は2日、新型コロナウイルス患者の搬送件数の急増を受け、救急隊を1隊増設した。このまま陽性者対応の負担が増せば一般の急病人や負傷者の搬送に支障が出かねないためで、感染状況が落ち着くまでの一時的な対応とする。同様の増隊は昨年の流行第4、5波に続き3回目。

 新たな隊は、救急救命士の資格を持つ市消防局救急課職員ら3人で構成し、コロナ対応に専従で当たる。予備の救急車1台を配備した市立市民病院(北区北長瀬表町)に拠点を置き、自宅やホテルで療養する患者の病状が悪化したとき、保健所などから連絡を受けて出動する。

 市消防局は岡山市と吉備中央町を所管し、通常21の救急隊で対応している。オミクロン株による感染拡大に伴い、今年に入って自宅などで容体が急変したコロナ患者の搬送件数が急増。1週間当たりで見ると、1月10~16日は4件だったのに対し、24~30日は4・5倍の18件に跳ね上がり、昨年の第4、5波のピーク時(26~39件)に迫る。

 コロナ患者の搬送には隊員が防護衣を着用したり、車内を入念に消毒したりする必要があり、1回の出動に通常の2倍を超える2時間近くを要するケースもあるという。増隊により、一般の急病人らの対応が手薄にならない態勢を構築したい考えだ。

 また医療状況の逼迫(ひっぱく)により、受け入れの可否を医療機関に4回以上照会し、現場滞在が30分を超える「救急搬送困難事案」がコロナ患者以外も含めて24~30日に22件発生。1週間当たりの件数が2020年の統計開始以来最多を更新した。

 市消防局は「いち早く現場に駆け付けて応急処置を施し、市民の生命を守る機動力を維持しなければならない。感染状況を見ながら、さらなる増隊も視野に対応を検討したい」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2022年02月03日 更新)

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