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離島・へき地医療の在り方 済生丸通じ考える 岡山で国際セミナー 実績も報告

国内唯一の診療船「済生丸」や島嶼医療について話し合ったセミナー

 世界各地で問題となっている離島・へき地医療の在り方を、国内唯一の診療船「済生丸」を通じて考える「国際島嶼(とうしょ)医療セミナー」(同セミナー実行委主催、山陽新聞社など後援)が17日、岡山国際交流センター(岡山市北区奉還町)で開かれた。

 済生丸は1962年、社会福祉法人済生会(東京)が創立50周年を記念して導入。瀬戸内海で巡回診療を行い、島嶼部の人々の健康を守り続けている。

 セミナーには約160人が参加。日本と同じ島国で島嶼医療の充実が課題となっているフィリピンでは、医師が慢性的に不足し、軍が救援活動や医療支援を行っている現状や、済生丸が注目されていることが報告された。

 続いて、県済生会の岩本一寿理事らが司会を務め、「島嶼部の保健医療」をテーマにパネルディスカッション。笠岡諸島を抱える笠岡市の高木直矢市長や二宮忠矢県医療推進課長ら6人が済生丸の実績など報告し、「乳幼児健診を行うなどして若い人が島に住みやすくなるようにしたい」「高齢者の悩みにもっと耳を傾け、生活の質向上にも役立てたい」「研修生を受け入れ、海外に済生丸の成果を伝えてもらおう」など、今後の展望について話し合った。

 続いて、同セミナー実行委員長の江草安彦旭川荘名誉理事長が「高齢化が進み、離島でなくても医師のもとまで足を運べない人が増えている。街中でも治療が必要な人たちを、一定の地区ごとにまとめて巡回できるシステムが求められているのでは」と提言した。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2011年10月18日 更新)

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