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RSウイルス感染症 最多ペースで患者増 岡山県内、1歳未満は重症化も

 冬場に流行し、乳幼児の気管支炎や肺炎を引き起こす「RSウイルス感染症」が、岡山県内で今年は既に広がっている。例年より2カ月以上早く患者が増え、過去最多ペースで推移。有効な治療法や特効薬はなく、専門家は手洗いやうがいなど予防の徹底を呼び掛けている。

 RSウイルスは感染力が強く、感染者のせきやくしゃみを吸い込んだり、鼻水やたんに触れて拡大。2歳までにほぼ全員がかかる。症状は風邪と似ており、大人は鼻水やせきなど軽い症状で済むケースがほとんどだが、1歳未満の子どもは重症化しやすい。

 県健康推進課によると、例年は10月初めから患者が増えるが、今年は7月下旬から増加。10月10〜16日の週は県指定54医療機関の1施設当たりの患者数が0・56人となり、今年と同じく流行が早かった昨年同期(0・39人)の1・5倍。統計を取り始めた2004年以降、この時期としては最多だった。通常のピークは12〜1月ごろで、1施設当たり1〜1・5人。

 認知度が低いRSウイルスだが、「乳幼児の場合、呼吸困難に陥る恐れがあるなど決して軽視できない」と岡山市民病院(同市北区天瀬)の佐藤正義医長。軽症の際は検査が行われず、県データの患者数は「氷山の一角」という。

 「ぜーぜー」という呼吸音が、風邪と見分けるポイント。熱やせきが長引くなど普通の風邪より症状が重い場合は、感染の可能性を疑った方がよいという。佐藤医長は「親が家庭に持ち込み、子どもにうつすことも多い。マスク着用を含め徹底した予防を」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2011年10月27日 更新)

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