文字 

メタボ以外も保健指導 人工透析抑制に主眼  特定健診で岡山市

特定健診で保健師の問診を受ける男性=岡山市内の医療機関

 岡山市は、国民健康保険の加入者向けの「特定健診」で、メタボリック症候群(メタボ)に該当せず、その後の保健指導の対象外だった人を独自にフォローする事業を今月からスタートさせた。本年度は人工透析治療に至るリスクが高い250〜300人程度に利用を呼び掛ける。

 40〜74歳が対象の特定健診は2008年度から市町村などに義務づけられた。身長や体重、腹囲、血圧、血液などを検査し、国の基準に基づいてメタボの人は最長半年間、生活習慣の改善を指導している。市は、メタボでなくても生活習慣病のリスクを抱える人は多く、健診後の保健指導の範囲を広げることが国保医療費の抑制にもつながると判断した。

 本年度の対象者は人工透析患者の抑止に主眼を置く。人工透析患者は高額な医療費が国保会計の圧迫要因にもなっており、医療機関から寄せられた健診結果を基に、腎機能が低下していたり、低下の加速要因となる高血圧、高血糖などがみられる人を市が抽出する。

 対象者には食生活や運動といった生活習慣の改善策を紹介する教室に参加してもらい、その後も市の保健師や栄養士が改善状況を毎月の電話やメールなどで半年間確認する。教室は月1、2回のペースで開く。

 市の特定健診は6〜12月に行い、10年度は約10万3千人の対象者のうち約2万4800人(24%)が受診。うち約3800人がメタボに該当し、保健指導の対象とされた。ただ、実際に保健指導に応じたのは約260人にとどまるため、市は新たにフォローする対象者も40〜50人程度と想定している。

 市国保年金課は「生活習慣病を減らすため、対象者をさらに広げることも検討したい。フォローの前提となる特定健診の啓発にも努める」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2011年10月28日 更新)

タグ: 健康

カテゴリー

ページトップへ

ページトップへ