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岡山大病院、スリランカ初の肺移植実施へ 大使館要請 月内にもチーム派遣 

大藤剛宏チーフ

 岡山大病院(岡山市北区鹿田町)は11月下旬にもスリランカに肺移植チームを派遣し、重い肺の病気に苦しむ患者に現地で生体肺移植を実施する準備を進めていることが8日、分かった。執刀する大藤剛宏・同病院肺移植チーフは「実現すれば、スリランカで初の肺移植を岡山大肺移植チームが行うことになる」としている。

 患者は同国の60代男性。肺に炎症が起き呼吸が困難になる間質性肺炎で、人工呼吸を行っている。大藤チーフが10日にスリランカに向かい、コロンボの病院で患者を診察するとともに、手術室や医療機器など現地の設備を確認し、移植の可否を判断する。

 岡山大病院は、これまでに日本で最多となる59例の生体肺移植を手掛け、脳死肺移植を合わせると88例に上る。この2年間に行った肺移植18例の生存率は100%と高い実績を残しており、「ぜひ執刀を」とスリランカ大使館から10月中旬に要請があった。

 移植が可能なら呼吸器外科医、麻酔科医、看護師らの肺移植チーム15人が11月下旬に渡航する予定。現地スタッフと協力し、現地のドナー(臓器提供者)2人からそれぞれ片方の肺の下部を切り取って移植する。

 大藤チーフは「現地の様子をしっかりと確認し、足りない器具などをそろえ万全の態勢で臨みたい」としている。

 同国では肝臓、腎臓移植は既に行われており、拒絶反応を防ぐ免疫抑制剤などの薬剤もそろっているという。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2011年11月09日 更新)

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