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手芸で患者の心明るく 倉敷中央病院 壁飾りや生活用品、ボランティア制作 5年で1900点

月替わりで作った小児病棟のタペストリーとメンバー 

化学療法を受ける患者用の帽子(左)、亡くなった赤ちゃんの服(中央)、尿バッグカバー

 倉敷中央病院(倉敷市美和)のボランティアサークルが、病院や患者の要望に応じて手芸品を制作する活動を続けている。院内を明るくする壁飾りや病気に配慮した生活用品など、5年間で手掛けた品は約1900点。メンバーは「よりよい環境で治療を受けてもらえるよう、手助けを続けたい」としている。


 サークルは2006年11月に発足。同病院の催しに参加したボランティアが、傷んだ授乳コーナーのカーテンを作り直したのがきっかけだった。現在は30〜80代の市内の女性8人が所属。看護師や患者の要望を聞き取り、院内の作業室で活動している。

 尿バッグの中身が見えないようにするカバー、亡くなった赤ちゃんに着せる服とおくるみなど、患者の気持ちに寄り添った品を、試行を重ねながら工夫する。化学療法の副作用で髪の毛が抜ける患者用の帽子は、落ち込まないようにと明るい色の生地で作ったが、抜けた髪の毛が目立たない方がうれしいという声を聞き、裏面を濃い色にして作り替えた。

 昨年一番の大作は、小児病棟に飾る1メートル四方のタペストリー12枚。外に出られない子どもたちのために季節感を出したいという看護師らの要望で、ひなまつりやクリスマスなどをイメージし月替わりで制作した。食事制限がある子どもを気遣い、禁止されている食べ物のデザインは控えた。

 小児病棟の浜田美和看護師長は「かわいくて子どもも喜んでいる。業者にはお願いできない細かいことでも聞いてもらえ、ありがたい」と感謝する。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2012年01月10日 更新)

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