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モンゴル医師、岡山労災病院で研修 石綿関連疾患の診断法や治療学ぶ

岸本副院長(右)から石綿関連疾患について話を聞くモンゴル人医師ら

 石綿(アスベスト)や粉じんの吸引で発症する中皮腫やじん肺に似た症状の患者が多いモンゴル。同国では、現在も火力発電所の高炉や家屋の暖房用配管などの断熱材に石綿が使用されているという。炭鉱労働者も多く、今後も患者の増加が懸念される。だが、被害の実態把握は進まず、医療現場では確定診断の知識や技術の普及が急務となっている。

 石綿関連疾患の研究・治療で国内の中核的施設となっている岡山労災病院(岡山市南区築港緑町)。2010年、モンゴル政府から厚生労働省を通じて専門医派遣の要請があり、岸本卓巳副院長らが現地入りし、疾患の診断法や手術など治療法を指導した。

 こうした縁から一層の協力要請があり、同国の医師ら10人が21日に来岡した。23日まで同市内に滞在し、同病院で最新の診断法や治療について学ぶ。

 初日の座学では岸本副院長がCT(コンピューター断層撮影)画像を用いた診断について解説。「肺の細胞が繊維化し呼吸困難になる間質性肺炎との区別は難しいが、肺に一定以上の白い影があれば、石綿肺を疑うべき。患者の職業歴の確認も重要」などと説明した。22日以降は患者と面談し、病状の聞き取りなども予定する。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2012年03月22日 更新)

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