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再生医療学会始まる 岡山

岡山市で始まった日本再生医療学会総会

 第五回日本再生医療学会総会(会長・田中紀章岡山大大学院医歯薬学総合研究科教授)が八日、岡山市で始まり、どんな細胞にも成長できるヒトの胚(はい)性幹細胞(ES細胞)に関する最新の研究成果などが報告された。

 九日までの二日間で全国の大学、病院関係者ら約千五百人が参加。「少子高齢化に備える新しい医学の時代」をテーマに、発表は約四百演題に上る。

 初日は、ES細胞研究についてのセミナーがあり、京都大再生医科学研究所の末盛博文助教授が、傷ついたり失われた体の組織の機能を取り戻す再生医療分野で、世界中の研究者がしのぎを削っている現状を報告。今後は「新薬の安全性試験に利用するなど、可能性はさらに広がるだろう」との見方を示した。

 同研究所の中辻憲夫所長は「再生医療はいつ実現するか分からないが、患者の期待は大きく、研究を進めることがわれわれの使命」と強調した。

 研究成果については、岡山大大学院医歯薬学総合研究科の小林直哉助手が、ES細胞から肝臓細胞をつくり出すことに、国内で初めて成功した事例を発表した。

 九日は、ES細胞研究の倫理・社会問題を考えるシンポジウムなどがある。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2006年03月09日 更新)

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